第33回認知リハビリテーション研究会開催のお知らせ:10月7日(土)14:00~

2023/09/13

第33回認知リハビリテーション研究会開催のお知らせ

 

例年通り認知リハビリテーション研究会を開催いたします。認知リハビリテーションの現場で困っていることについて、ぜひみなさまで活発な議論を交わしましょう! 

日時:2023年 10 月 7 日(土) 受付開始 13:30~ 開会 14:00~ 
開催方法:現地と Web 配信のハイブリッド開催です

*現地:慶應義塾大学信濃町キャンパス新教育研究棟3階講堂
信濃町キャンパス:https://www.keio.ac.jp/ja/maps/shinanomachi.html
【9】の建物

【参加費】 
*年会費を納めている当会会員は参加無料です
年会費を納めていない当会会員の方は、 https://crs.smoosy.atlas.jp/mypage/login にて年会費を納めてください 
*会員外の方:事前に当日会員として登録し、参加費 5,000 円をお振り込みください 
会員登録はこちら https://crs.smoosy.atlas.jp/ja 

【お願いとお知らせ】 
*Web 参加者は所属と名前を明記してから Zoom ミーティングに入ってください
*Web 参加者は音声をミュートにして、質問はチャットでお願いいたします 
*写真やビデオの撮影・録音はご遠慮ください 
*現地参加の方は会場入口での手指消毒、会場内でのマスクご着用をお願いいたします 
*会場に飲料の持ち込みは差し支えありません 
*現地で年会費の徴収はいたしません。事前にお振り込み下さい 
*本会は日本作業療法士協会のポイント付与対象です 

【進行】 
*特別講演:講演 45分 質疑応答 5分
*教育講演 : 講演 20分 質疑応答 5 分 
*一般演題 : 発表時間 10 分 質疑応答 5 分 

【連絡先】 
認知リハビリテーション研究会事務局: cognitiverehabilitationoffice@gmail.com

【プログラム】

14:00 開会の挨拶 
三村 將 慶應義塾大学医学部精神神経科


14:05~14:35 一般演題 失語・失書
座長:大森智裕 国際医療福祉大学成田病院リハビリテーション技術部


1.常同的語性錯語の発現機序について 
中川良尚1),船山道隆2),笹嶋侑子1),近藤郁江1),都築未来1),石川実結1),佐野洋子1),山谷洋子3),加藤正弘3)
1)江戸川病院リハビリテーション科
2)足利赤十字病院精神神経科
3)江戸川病院神経内科
要旨
・経過中に多様な常同的語性錯語が出現した重度Wernicke失語症例の常同的語性錯語の発現機序を検討することを目的とした。
・本症例の言語情報処理の障害メカニズムは、類似症状の再帰性発話と同様に語彙想起能力の低下や語彙の狭窄化が基本的要素として考えられた。
・本症例の語彙の狭窄化はSemantic dementiaの意味記憶障害に類似しており、側頭葉意味野の賦活制限により選択可能な語彙が限られ、これが常同的に表出された結果と考えた。


2.左頭頂葉病変例が呈した書字障害―この特徴は純粋失書か?失行性失書か?
有川瑛人1),亀川桃歌1),津田哲也2)
1)加治木温泉病院総合リハビリテーションセンター
2)県立広島大学保健福祉学部保健福祉学科
コミュニケーション障害学コース
要旨
・左頭頂葉を中心とした病変により「漢字の形態の全体像は掴んでいるが、構成要素の細部を誤る」特徴を示した失書例を報告する。
・左頭頂葉病変例では、比較的「純粋」な失書例の報告もあるが、純粋失書に失行性失書の特徴が混在している場合も多く、その判断に迷うことも少なくない。
・左頭頂葉病変の一例が呈した書字の誤反応パターンを詳細に分析し、その特徴が純粋失書と失行性失書のいずれに由来するのか検討した。


14:35~15:20  一般演題 記憶障害・操作障害・脳外傷
座長:船山道隆 足利赤十字病院精神神経科


3.右被殻出血後に重度の健忘症を呈した1症例
菅波美穂1,2),齋藤玲子2),栃木悠2),福地浩平2),森田新平2)
1)慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室
2)医療法人山柳会塩味病院リハビリテーション科
要旨
・42歳男性右利き、重度の右被殻出血後に順向性及び逆向性健忘症を呈した。損傷箇所は右被殻周辺で右海馬・扁桃体・大脳基底核にまで及ぶ広範囲なものだった。
・低下はあるものの言語性短期記憶と学習効果と手続き記憶は保たれていた。長期記憶やエピソード記憶は低下が著しく、検査では正答がほぼできなかった。
・右側の損傷により長期記憶やエピソード記憶が障害されたが、左側の言語野が保たれていることで言語性短期記憶や手続き記憶がある程度保たれている可能性が示唆された。


4.発話や読字、視覚認知に問題がないにもかかわらず、
スマートフォンの操作障害を来たした左頭頂葉損傷の一例
花田恵介1,2),與田夏菜恵2),船山道隆3),平山和美4)
1) 四條畷学園大学リハビリテーション学部
2) 医療法人穂翔会村田病院リハビリテーション部
3) 足利赤十字病院精神神経科
4) 山形県立保健医療大学

要旨
・左頭頂葉損傷後に、スマホの表示画面を戻したり、表示された文字を消したりすることができなかった症例を経験した。
・アプリのアイコンを見ればどんな機能を持つアプリであるかを説明でき、文字が画面上に表示されていれば正しく入力することもできた。
・本例に見られたスマホ操作の難しさは、失語、失認、および観念性失行(使用失行)のいずれの概念を用いても説明しがたいように思われる。
・電子機器の操作障害は、Osiurak(2020)が提唱する失行の新たな枠組みによる解釈に迫っているのかもしれない。


5.回復が続いている脳外傷の一例の9年間の経過
青木重陽1),寺嶋咲稀1),殿村 暁2),白川大平2),永井喜子3)
1) 神奈川リハビリテーション病院リハビリテーション科
2) 神奈川リハビリテーション病院心理科
3) 神奈川リハビリテーション病院研究部障害医学研究室

要旨
・症例は20歳代に交通事故で脳外傷を受傷し、9年が経過している。
・受傷時のCTでは、左被殻に大きな外傷性脳内出血を来しており、急性期に開頭血腫除去術を受けている。
・当初は重症であったが、神経心理学的検査、SLTA、FIM(ADL評価)の改善が今も続いている。
・包括的リハビリテーションの観点から本例の経過を考察する。


15:20~15:35 休憩

15:35~16:00 教育講演 
司会:三村  將 慶應義塾大学医学部精神神経科

「失語症と神経心理学領域の国際会議のご紹介」
演者:田中 裕 たなかクリニック


16:00~16:50 特別講演
司会:三村  將 慶應義塾大学医学部精神神経科

「高次脳機能障害をもつ者の家族から」 
演者:柴本 礼 イラストレーター,東京高次脳機能障害協議会        
                                   
16:55 閉会の挨拶 
青木重陽 神奈川リハビリテーション病院リハビリテーション科


認知リハビリテーション研究会事務局